古民家リノベーションとは、昔からある住宅を現在のライフスタイルに合わせて間取りを変更し、趣を残したまま住みやすい家へと変える工事のことです。古民家の定義については明確な規定はありませんが、一般社団法人全国古民家再生協会では、1950年以前に建てられた建物を古民家としています。

古民家リノベーションで必要な費用は建物の状態によって大きく変わり、500万円前後でできる場合もあれば、1,000～2,000万円を超えることもあります。どの程度工事をするかによって費用が異なるため、予算に合わせたプラン決めが重要になるでしょう。

参考元：一般社団法人全国古民家再生協会｜「古民家」の定義について

リフォームとリノベーションの違い

リフォームとリノベーションは、どちらも古くなった建物を工事して住みやすくすることに変わりありませんが、意味が少し異なります。

リフォームでは老朽化した設備や、汚れが蓄積したクロスの張り替えなどを行い、新築に近い状態に戻す工事を指します。一方、リノベーションでは間取りの変更などを行う大規模な工事のことです。古くて使い勝手が悪い間取りを、現代の暮らしに合わせた自分好みの家に変えられるでしょう。また、子どもの独立や親の介護など、その家に住む家族の変化に合わせてリノベーションを行うこともあります。

＞＞参考コラム：リフォームとリノベーション。最近よく聞くけど、どう違うの？

古民家のリノベーションの種類は、主に以下の3つです。

半解体再生リフォーム

古民家の梁や柱を活かしたリノベーションのことで、スケルトン解体再生リフォームとも呼ばれます。床や壁、屋根を一度剥がして構造を確認するため、梁や柱の歪みを直して暮らしやすい家にできる方法です。

全解体再生リフォーム

古民家を一度解体し、梁や柱などをキレイに洗い使えるところを再利用するリノベーションの方法です。傷んでいる部分があれば新しい部材と交換をするため、古民家ならではの雰囲気を残したまま新しい家にできます。

移築再生リフォーム

古民家を一度バラバラに解体し、別の場所で新たに組み立てる方法です。この方法であれば、見つけた古民家を希望の土地に建てることができます。ただし、再度組み立てられるように解体するには高度な技術を要するうえ、運搬費用がかかります。

続いて、古民家リノベーションのメリットとデメリットを見ていきましょう。

古民家リノベーションのメリット

古民家リノベーションのメリットは以下の通りです。

・昔ながらの風情がある住まいを残せる

・流行に左右されない飽きないデザインの家に住める

・強度が高いヒノキやケヤキなどの木材を活用できる

・人気エリアの家を相場よりも安く手に入れられることがある

・新築に比べて固定資産税が安く済む

歴史がある建物には、ヒノキやケヤキなどの木材が使われていることも。昔から使われている木材はもろいイメージがあるかもしれませんが、実はヒノキやケヤキは強度が高いためリノベーションで活用ができます。昔ながらの雰囲気を残しつつ快適に暮らすには、古民家リノベーションがぴったりです。

古民家リノベーションのデメリット

次に、古民家リノベーションのデメリットをチェックしましょう。

・耐震工事が大掛かりになることがある

・断熱性を高めなければ快適に暮らせない

・工事が長期になりやすい

・建物の状態によっては工事費用がかさみ予算オーバーになることも

古民家は一軒一軒状態が異なるため、劣化が激しい場合は追加の工事が発生することが考えられます。そのため、予算をオーバーしてしまうケースも珍しくありません。余裕を持った予算を設定しておきましょう。

ここからは、古民家リノベーションで後悔しないための注意ポイントをご紹介します。

古民家リノベーションを得意とする施工会社に依頼する

お伝えしているように、古民家リノベーションでは建物の状態に合わせて工事を行うため、施工実績が豊富な施工会社を選ぶと良いでしょう。また、地域の風土や気候といった特徴を理解した、地域密着型の会社だとより安心です。

リキューでは、リノベーションをしたい方に向けたセミナーを随時開催しています。リノベーションの費用や物件探しなど、疑問や心配事があればお気軽にご相談ください。

リノベーションに向いている物件を購入する

古民家リノベーションでは物件選びが重要です。建物自体の損傷が激しい場合、大掛かりな工事が必要になり、費用も高額になります。雨漏りはしていないか、柱や梁は劣化していないか、家の土台は傾いていないかなど、構造に関する部分は特にチェックをしてから購入をしましょう。

工事内容によって金額が大きく変わるため余裕をもって予算を組む

古民家リノベーションの工事と費用の目安は以下の通りです。

すべての工事をすると予算オーバーになることもあるため、古民家リノベーションを行う際は今後の生活を見据え、どの工事が必要かを見極めましょう。ただし、耐震工事と断熱工事は古民家で快適に暮らすために必要不可欠なので、優先するようにしましょう。

＞＞参考コラム：西尾市・蒲郡市のフルリフォームやリノベーションで使えるローンの種類は？

西尾市と蒲郡市で古民家リノベーションをする際は、以下の補助金が対象になる場合があります。

【西尾市】西尾市民間木造住宅耐震改修費等補助事業補助金

1981年5月31日以前に着工された建物で、市が実施する耐震診断において1.0未満の判定を受けた木造住宅の耐震補強に補助が出ます。補助金は、工事費の額を限度に120万円です。なお、補助金を受け取るには現在居住している木造住宅である必要があり、申請は契約および着工前にしなければいけません。

【西尾市】西尾市三世代同居対応住宅支援事業補助金

子育てや介護などを理由に、三世代で同居するための改修工事に補助が出ます。補助金の額は、工事費用の1／2を限度に30万円です。なお、こちらの補助金も着工前に申請が必要です。

【蒲郡市】空家利活用事業費補助金

蒲郡市空家・空き店舗バンクに登録された物件をリノベーションする場合は、蒲郡市の補助金制度の対象です。補助対象の工事費または、消費税を除く資材購入費に対して30万円までの補助金を受け取れます。

なお、補助金の利用には条件があります。また、募集戸数が決まっている場合もあるため、詳しくは各自治体のホームページで最新情報を確認してください。

参考元：西尾市｜西尾市民間木造住宅耐震改修費等補助事業補助金

参考元：西尾市｜西尾市三世代同居対応住宅支援事業補助金

参考元：蒲郡市｜空家利活用事業費補助金

＞＞参考コラム：西尾市と蒲郡市の空き家リフォーム・リノベーションを解説！費用の目安も紹介

西尾市、蒲郡市で古民家リノベーションをする際の費用やチェックポイントをお伝えしました。古民家で快適に暮らすためには、耐震性や断熱性の確保が欠かせません。また、水回りの工事や間取り変更など、プランによって価格が大きく変動します。そのため、家族構成に合った工事内容を決めると良いでしょう。

リキューでは建築家が手掛ける高性能なリノベーションの「R+リノベ」を提供しています。耐震性や断熱性はもちろん、ご予算の範囲でお客様の理想の暮らしを叶えるデザイン性の高いプランをご提案します。西尾市、蒲郡市で古民家リノベーションをお考えの方は、是非一度ご相談ください。

＞＞西尾市・蒲郡市で叶える古民家リノベーション！リキューの取り組みについてはこちら

著者：株式会社リキュー代表取締役　稲吉　伸英
保有資格：二級建築士 二級施工管理士 増改築相談員 耐震診断員 愛犬家住宅アドバイザー
これまでに培ってきた工務店の強みを活かし、地域に根ざした会社として、お客様に寄り添ったサービスを提供していきたいと考えております。

記事監修者：中小企業診断士（住宅コンサルタント）塩味 隆行

一般社団法人 住宅資産価値保全保証協会認定講師

住宅検討をされている方が後悔しない家づくりを実現いただくため、 全国各地で年100回以上、家づくりセミナーの講師を担当しています。 住宅購入の際に必要となる性能や土地についての基礎知識から、 資金計画などの専門的なことまで、客観的かつ具体的に情報をお伝えいたします。